ソルベンシーとは保険会社の保険金支払能力のことをいいます。 保険会社の持っている資産以上の保険金支払いが発生すると保険会社は破綻してしまいますので、 保有している保険契約に対して多くの資産を持つ保険会社ほど保険金支払い能力が高く、安全な会社といえます。 しかし契約に対して多くの資産を持っている会社は本来もっと契約を引きうける能力があるわけですから、資産の有効活用からみると 経営効率の悪い会社ということもできます。 したがってソルベンシーは安全性に重点を置くか資本効率に重点を置くか保険会社の経営方針により異なってきます。
大地震や台風、洪水、パンデミックなど通常の(あらかじめ予定していた)損害を超えた規模の損害に対しての支払能力を測る基準となるのが ソルベンシーマージン比率といわれる数字で、保険会社の経営の健全性の指標として開示が義務付けられています。 従来日本では信頼度95%(20年に1度発生する規模の災害まで考慮する)で計測することが義務付けられていましたが、 令和7年度から始まる経済価値ベースソルベンシーが適用されると異常災害は世界基準である99.5%(200年に1度の規模の災害を考慮する)になるので 保険会社は一層のリスク管理体制の整備、資本の充実などが求められます。
従来のソルベンシーマージン比率の計算は責任準備金を越えるような支払いに充てられる 保険会社の資産の額をその支払額で割り2倍するというもので、その資産の額がその支払いと等しい場合は ソルベンシーマージン比率は200%となります。 たいていの保険会社のソルベンシーマージン比率は数百パーセント以上ありますが、200%を下回ると 金融庁から業務改善命令や業務停止命令などの処分を受けることになります。 なぜ数値を2倍するのかについては諸説あり、海外の制度にならって2倍したとか、 大蔵省のお役人のツルの一声で決まったという人もいますが、確かなことはわかりません。 従来のソルベンシーマージンが想定した異常災害は75年に1度(伊勢湾台風基準)の災害でしたが、 経済価値ベースソルベンシーでは200年に1度のレベルの災害となり従来のように2倍にはしないので 行政処分の対象となる最低レベルは100%となります。