純保険料の算出方法

保険料は保険金の原資となる純保険料とその他保険の運営に必要な付加保険料に分けられることは既にのべました。その純保険料は簡単に言うと
事故発生確率(Frequency)×損害額(Damageability)
で計算され、これをFD法といいます。
FD法による純保険料は事故による損害額の期待値となっているため、 長い期間をみれば保険会社の集める純保険料の合計金額は支払った保険金の合計金額と等しいという収支相当の法則が成り立ちます。

 しかし、どのくらいで収支相当となるかは保険の種目によりまちまちで、 自動車保険や傷害保険などは数年単位でも成り立ちますが、自然災害を担保するような保険では大地震などは数百年に1回というサイクルなので、 収支相当も数百年待たないと成り立ちません。

 そこで保険会社は異常危険準備金という積立金で大災害に備えるのですが、これは純保険料には含まれません。 なぜなら、数百年に1回の大災害のファンドも純保険料には含まれているからで、 異常危険準備金がなくても数百年単位では収支相当の法則が成り立つからです。

 保険によっては安全割り増しという名目で統計上の期待値をこえる部分のファンドを純保険料に入れている場合もありますが、 これは統計が不十分で真の期待値がわからないから割り増しをしているわけで、異常危険準備金とは性質が異なります。