例えば飛行機1機が墜落すると100億円の損害が起きるとする。 この場合もし飛行機が墜落したらこの飛行機の保険を引き受けていた会社は100億円の保険金を支払わなければならない。 このリスクを軽減するため、保険会社は自分の支払能力を超えた引受部分には保険をかけて、 事故が起きて保険金を支払うときにこの部分を他の保険会社から回収する。 この保険会社がかける保険を再保険という。
再保険を引き受けるのも保険会社であるが、中には再保険専門の保険会社も存在する。 世界的に大きい再保険会社としてミュンヘン再保険、スイス再保険などが有名だが、 日本にもトーア再保険と地震保険を専門に扱う日本地震再保険がある。
再保険には常に契約の一定割合のリスクを持つ比例再保険、損害額が約定額を超えた場合に支払うエクセスロス、 損害率が一定割合を越えた場合に支払うストップロスなど多彩な種類があり保険の中でもアカデミックな部分である。 多様なリスクを計算するために再保険会社はアクチュアリー以外にも多くのリスクの専門家をかかえており、 業界最大手のミュンヘン再保険は社員の1/3が博士号を持つといわれる
最保険は元請契約を個別に最保険に出すだけでなく、一定の条件を満たす契約軍団をまとめて1契約で出す場合も多い。 また、元請け契約をそのまま分割して出すだけでなく、引受額が一定割合を超えた部分を出すとか 保険金の支払いが一定額以上になった場合だけ保険金を回収できるとか、 あるいは損害率が一定以上の場合にほけんきんを回収できるなどさまざまな契約形態が存在する。
保険会社と再保険会社は多くの契約形態がある最保険契約について保険料支払いや保険金の回収を まとめて精算するため資金の動きと契約の対応づけは非常にわかりずらい。 複雑な契約形態故に契約内容の把握が困難なことから金融庁も再保険専門家を外部から採用している。