ロングテイル

 長い尻尾という意味ですが、事故が起きてから保険金の支払が終了するまでに長期期間かかるような保険のことをいいます。 たとえば、裁判で長期間争わないと損害額が確定しない賠償責任保険や傷害の後遺症などを支払う保険では事故が発生してから すべての支払が終了するまでに何十年もかかることがあります。 これらの保険では個々の事故に対して積み立てる普通備金に加えて、過去の支払記録(統計データ)を使い 支払総額の予測をして、その予測金額と普通備金の差額をIBNR備金として積み立てます。

 ロングテイルとなる支払事故が発生すると保険会社はその支払額の変動と支払時期の不確定というリスクを長期に抱えることとなりますが、 このリスクを回避するために事故発生後にこれらのリスクを担保するファイナイト再保険というものもあります。 ファイナイトはリスクのすべてを保険に移転するわけではなく、保険の定義からははずれる部分もあるため、 保険とみるかどうかには税務も含めていろいろ議論があります。