三番瀬(「さんばんぜ」と発音します)は湾奥(東京湾の一番内側の意味) と呼ばれる浦安から船橋にかけての広大な浅瀬で、水鳥や魚類、貝類が豊富です。
海苔の養殖もおこなわれている三番瀬の水は非常に澄んでいて、冬だと2メートル下の底がはっきり見えます。
これはアサリなど貝類の浄化作用によるもので、三番瀬は東京湾の浄化作用の3分の1を担っているともいわれます。
春に生まれたアサリが成長してくると秋にはシジミくらいの大きさになります。
三番瀬の沖合いでは冬に海苔の養殖が行われています。べた流し網と呼ばれる方法で、網を海面すれすれに張って海苔を養殖します。
その網を浮かせるための「浮き」に水鳥の大群が1羽づつ乗って休んでる様子がまるで整列しているように見えます。
冬は空気が澄んでいるので浦安から富士山、大山丹沢、箱根まで見ることができます。
かつては秋になるとアサリの間に砂があるといわれるほど大量にアサリがとれ、休日には300隻ものボートが集まりました。
しかし東日本大震災で瀬が沈んでしまい、大潮でも干潟が現れなくなり、アサリも採れなくなりました。
今は集まるボートもわずかですが、ひさしぶりに三番瀬に潮干狩りに行きました。
三番瀬でテニスサークルの中学生たちを乗せてきたPrima-Sunと合流しました。
2013年になると状況はさらに悲惨になりました。
我々がアサリを採っていたのは旧浦安地区の三番瀬で現在は漁業権の設定がないところなのですが、 それまで漁業補償金目当てに三番瀬を埋め立てろと主張していた隣の市の漁業関係者が、 三番瀬埋め立てが白紙になるとこんどは自分たち以外にアサリを採らせないよう海上保安庁を使って取り締まりをはじめたのです。 レジャーに来ていた一般市民だけでなく、もともとこの地区でアサリを採っていた浦安の元漁師でさえ締め出されてしまったのです。
海上保安庁の本庁の説明は明快で、漁法さえ適正なら漁業権の問題はないといいますが、 現場では係官が漁業関係者と結託しているかようないやがらせまがいの取り締まりがあります。 以前保安庁の関係部門に問い合わせをしたときも、対応された係官は本当は地域漁業の利権などにはかかわりたくないが、 取り締まりの要請をうけたら職務上やらざるを得ないというようなことを漏らしていました。 尖閣諸島での活躍や映画「海猿」などでもわかるように海上保安庁は国の防衛や船舶の安全を守るのが仕事で、 そのために命をかけて職務に就いています。 一部の漁業者の利権などには加担したくないというのは彼らの本音だろうと思います。
三番瀬は地震で砂浜が沈んでしまい熊手ではアサリを取れなくなり、ジョレンという道具を使うのですがこれが法律違反といわれています。 三番瀬でジョレンは昔から使われていましたが、いままで海上保安庁が取り締まったことはありませんでしたので、 誰が取り締まり要請をしたのかはおのずと知れています。
三番瀬の管理を自分たちが行って料金をとって潮干狩りをさせようという動きもあるそうです。 もちろん料金は彼らの懐に入るわけです。さすが金権千葉の面目躍如といったところでしょうか。 もう三番瀬は一般人が潮干狩りを楽しめる場所ではなくなってしまいました。
2014年の潮干狩りです。例の取り締まりが効いているのか、ほとんど人は来ていません。
もうジョレンは使えないので園芸用のフルイを使って熊手で採るため、近所や親戚に配るほどは採れません。
関係者はみんなの海を大切になどというのですが、結局は一部の人間の利権の海なのです。
政治のレベルすなわち国民の意識が高くなれば日本もそのうちに欧米のようにみんなが公平に海や川を使える日が来ると思いますが、
現在では残念ながら海、川、港湾などの施設は政治屋と利権で結託した一部の権利者のものになっています。