バッテリ復活装置
BATTERY REVIVER
バッテリ復活装置
BATTERY REVIVER



2011

17年間使用していた2サイクル船外エンジンがオーバーヒートするようになり、4サイクルエンジンに交換しました。 2サイクルに比べると加速や最高速度が遅いのですが、静かで燃費もよくまあ満足しています。 ところがバッテリーは古いままだったので冬になってからエンジンが掛かりづらくなり、寒い日にとうとう掛からなくなってしまいました。 インターネットで見るとバッテリーを回復させる装置がありました。アメリカの人が回路図も発表していたので、 とりあえず作ってみることにしました。もちろん回路図で指定されているトランジスタはアメリカ規格のものなので、 日本製の同等品に置き換えて作りました。

バッテリー復活装置 動作テスト オシロ画面

完成してバッテリーにつなぐと上の図のようにちゃんと動いているようですが、問題になるのはエンジンからどのくらいバッテリーを充電しているかです。 そもそもエンジンが充電してくれなければ、いくらバッテリーの回復装置があっても役にたちません。以前2サイクルエンジンを使っていたときに ヤマハの技術者にいろいろ教わったことがあったのですが、技術者の方にコンタクトする方法がわからないので、とりあえずヤマハのお客様相談室に電話してみました。 自動車のバッテリーの充電に関してはネット上でも議論があり、アイドリングではほとんど充電しないから走らなければ充電できないという人と、 アイドリングでも十分充電できるという人がいてどちらが正しいのかわかりません。ましてやそれが船の場合だと誰に聞いていいのかわかりません。 そこでメーカーに直接聞くのが一番いいと思ったわけです。

ところがこれが大間違いでした。電話の対応に出た女性はエンジンがどれくらい発電するのかはデータがないというのです。 メーカーにデータがないわけないのですが、要するに彼女がデータの存在を知らないだけなのです。そこで、 「エンジンをかけてアイドリングしたとき、もし充電しないのだとしたら結果としてバッテリーの電気を減らすだけなのか」 と聞いたら、こんどは周りの人と相談しているようで、3000回転くらいまで上げれば充電できますとの答えが返ってきました。 これじゃネット上の自動車の論議に戻ってしまうので、仕方がないから自分で直接確かめることにしました。 要はエンジンからバッテリーに電流が流れているかどうかを調べればいいわけです。今はいい道具が手に入るので早速ネットで電流計を購入しました。 電線をフォーク状のセンサーで挟むだけで電流がわかるスグレモノです。

早速ボートで試してみると、アイドリングでもしっかり充電します。電圧についてはアイドリングであろうと4000回転であろうと常に一定です。 自動車で試してもまったく同じで、セルを回すと電流計は瞬間的に100アンペア 以上を示しますが、エンジンが掛かるとすぐに10以上で充電し、しばらくすると2アンペア 以下に下がってしまいます。電圧は回転にかかわらず一定でした。 すなわちアイドリングで充電しないというのは全くのデタラメで、バッテリーが充電を必要としているならアイドリングでも十分に充電しているわけです。 もっともこの場合はアイドリング回転数を維持するために通常より多くの燃料を使っていることになります。 下の動画でスタートではマイナス97アンペアが流れますが、その後すぐに電流はプラス十数アンペアになり、 最終的には2~3アンペアの充電になって回転を上げても電流は変わりません。